読書感想2:ケインズとハイエク
ケインズとハイエクの経済理論と二人の人生の交わりを描いた本。
ケインズの主張する「大きな政府」は、公共投資を拡大することで、
雇用率を改善し、不況を脱するべきだというもの。
ハイエクの主張する「小さな政府」は、不況は決して避けられないものであるから、
何もせずにじっと耐えるべき。公共投資の増大は、政府の財政赤字の拡大、
インフレをもたらすというもの。
世界不況の際、ケインズの理論が支持されたそうだが、
それは人間の「困難を乗り越えていこうとする本能」が、
「不況時は何もせずにただ耐える」というハイエクの理論に反するからなのでは?
印象的だったのが、ハイエクがインフラ整備に加え、貨幣の発行も民間に
任せるべきだと考えていた点だ。
最近、ビットコインという民間企業による新たな貨幣が登場している中で、
何らかの示唆を与えてくれそうで、彼の貨幣発行に関する論文を読んでみたくなった。。。